窓際社員通り越して窓の外社員です




『解雇通告』 / ジョゼフ・フィンダー

経営建て直しのためにしたくもないリストラをバッサバッサとしてたら、ストーカー紛いの手法でじわじわと追い詰められるCEO。その魔の手はどんどんエスカレート。アブない、CEO! どうする、CEO! っつうお話。企業サスペンスの巧手として知られる作者の安心して楽しめる著作ですな。
でも企業っていうのはあくまで舞台設定でしか機能していないので、会社内部でのドロドロしたなんやかんやとか、売りだ!買いだ!クソッやられたぜ! みたいなカッコいいビジネスシーンみたいなのを期待する方はガッカリするかも。





『最高処刑責任者』 / ジョゼフ・フィンダー

政治や外交に限らず、ビジネスの世界でもカギを握るのはインテリジェンス戦術。それを巧みに操る謎の元軍人と知り合った冴えない営業マンの主人公。元軍人の力を借りつつ、二人三脚で出世街道を上り詰める。だが、相棒のやり口はエスカレートの一途を辿り、その魔の手は主人公やその家族にまで。アブない、主人公!どうする、主人公! ドカーン!ボカーン!っつうお話。終盤はチンケなハリウッド映画を観ているようであった。
原題の「Killer Instinct」ってのが示す通り、この話にはサラリーマンの命題である、「食うか食われるか」どちらを選ぶかもう一度考えろってのも含まれてる。出世したらしたで大変だし、かといって出世を諦めても面白くないし。まあその辺りは適当にボンヤリと考えなさいよ。