悦びは血の味がする






チャイルド44 / トム・ロブ・スミス
グラーグ57 / トム・ロブ・スミス


面白い!
伊達に2009年『このミステリーがすごい!』のナンバー1を取ってない。
読みきってしまえばありがちなサスペンスなのかもしれないけど、終わるまでただただワクワクドキドキが続くばかり。


なおかつ50年代のソ連を舞台としてるので、国家と個人との関係も深く重く描かれ、読了後にはなぜか口の中はカラカラに乾き、鉄錆の味が残ります。


風景と気温を感じさせる小説は少なくないけど、舌触りを感じさせる小説は多くない。やっぱりこれはソ連が舞台であることも大きいのかも。


いや、なによりそれよりとにかく「エンタメ小説」という体裁でありながら、これだけの鉄感を与えてくれる小説は滅多にないですね。
掛け値なし。オススメ。