ひとりで生きることに興味があります。
ありますが、皆様ご承知の通りこれがなかなか難しい。炊事に洗濯といった日常生活を行うのも労力がかかるのは言うに及ばず、外食やら旅行、レジャーといった非日常活動に取り組むのがこれまた難しいものです。
なんなんでしょうね、たとえば、あのひとりぼっちで旅行してるときの気まずさは。
「俺は全く気にしないぞ！」
と言い聞かせたってダメなもんはダメ。絶対にどこかで居心地の悪さを無意識のうちに感じて、動作がギクシャクしてる人をオレは何人も見てきました。
こないだも、とある観光地で虚ろな目をしながら虚ろな動きで「それ撮ってどうすんの？」と問い詰めたくなるようなものをデジカメで写しているおそらく30前後の女性を見ました。あの挙動不審な感じといい、覚束ない視線といい、あれ、間違いなく単身旅行者だった。
やるに事欠いて、とうとうありがちな謎の写真撮影をしてしまったのでしょう。オレにも経験がないわけじゃない。かわいそうに。
ひとり焼き肉だのひとりカラオケだのと巷間言われていますが、まだまだおひとりさまには社会の視線は冷たいもの。奇異の目で見られるのは当然です。気にしないわけにはいきますまい。かといって、開き直って「あたいはもう好き勝手にやるのよ！他人の目はどうでもいいのよ！勝手にしやがれよ！」などとなっても、それはそれでただの「奇行の人」で、痛々しいだけ。周りの人にとって見苦しいのは事実。そこまで鈍感にはなりたくないですね。
せめて旅行くらいはひとりでも楽しみたい。そこで男おいどん考えました。
「出張」を装いましょう。
なるべく服装はスーツ。カバンはアタッシュケース。もちろん足元は革靴でキメ。
リゾート地だろうが極寒の地だろうが、もう服装はこれで決まり（もこみち風）。
カバンの中にはチンケなコンデジを忍ばせて、「めんどくせえな、でも仕事だから仕方がないよな。課長が言うんだもんな」と眉間に皺をゴルゴばりに寄せて、バシャバシャと写真を撮りましょう。いくらこのときテンションがハイでも表情に出してはいけません。
スーツはちょっとなあ、という向きは普段着でもかまいません。ただし、その際はなるべく高いデジイチを携帯し、タブレット（或いはラップトップ）とノート（モレスキンあたりがベタでよろしい）もカバンに忍ばせることを忘れずに。写真を撮る際には、片膝ついたポジションでカメラを構え、足元にはムダにタブレットを広げましょう。このとき耳と肩でケータイを挟んで「あ、課長？」などとやれば尚グッドです。
あなたは旅行に来たのではありません。仕事で、取材で、仕方なく来たんです。
おひとりさま旅行の最大の難関と言われる食事もこれなら問題なし。安かろうが高かろうがお店の人にすまなさそうに「写真、いいすか？」「いやあ、僕もイヤなんすけどね、ヘヘ」と断ってからテーブルにノートとカメラを置いて、料理が来るたびにパシャリと1枚。ひとくち食べたら目線を上に向け、何か考えているといえばそうかもしれないしそうじゃないかもしれない表情をしてから、ノートに何かを書きつけましょう。別に料理の感想とか書く必要はないので4コマ漫画とかウンコの絵でも書いてればいいです。そうすっと、お店の人や周りの客も
「あの人きっとお仕事でいらっしゃったのね、きっと難しい仕事をしているに違いないわ。難しい仕事をしているということはきっと優秀な人で間違いないわ。論理的に正しいわ。抱いて！」
と思うはずですので、ひょっとしたらその夜はひとりぼっちにならずシャバダバのオマケもついてくるなんてこともあるかもしれません。
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- アーティスト: Bad Brains
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そうすっといろいろムズムズしてきて古めのアルバムを聴き漁りたくなりまして。
大体のものは「ふうん」で終わっちゃうのですが、その中でひとつなぜか琴線に触れたのがBad Brainsのファースト。ヴォーカルのHRはもはやただの「奇癖」「奇行」の人扱いですが、バンドに出たり入ったりの後にまた舞い戻ってきて、いつの間にやら新作を出してやがりました。
最初にこれタワレコで聴いたときはなんかのコンピ版かと思ったぜ。
個人的にレゲエだのラスタだのシェリフを撃っただの、かなり疎いしピンとこないので不安だったのですが、とりあえず買って聴いてみたら、よかった。
予想通り「原点回帰」などと言われていますが、かなりファーストっぽい。ハードなコアがブインブインしてて、ズンドコしてます。これならオレでも大丈夫！黒人でハードコアって誰も勝てねえよ反則だよ、と思いながらも楽しいので良しとします。オススメ。
