『シャバダバロック100選』 #005 つかもうぜ!シャバダバボール



巷はすっかりインテリアブーム。
ですので、近頃の皆々様にあられましては、「目指せsmartインテリア!或いはカーサ!ふうふうはあはあ」なんつうことで、アホみたいに高いローテーブル買ったりミッドセンチュリーなソファーを探したり、あまつさえは何が正しいのかわからなくなって天井からブルーレイプレイヤーを吊り下げたりしてしまうわけです。


インテリアはとにかく難しい。高いセンスを要求されるし、しかも洋服よりも投資金額は大きくなります。失敗したときの取り返しもどうにもこうにもつけにくい。ゆめゆめ甘く見てはいけません、インテリアは。


ですので、ここでオシャレ番長として(ケツを)ブイブイ言わせているわたくしが迷える皆々様にインテリアで失敗しない、というより、ググッとお部屋のシャレオツ度合いをアップさせるTIPSをお教えしたいと思います。


①モノを減らそう!
 まずは単純ですが、持っているモノをガンガン減らしましょう。使わないと思われる洋服でも機械でも戸籍でも、なんでもポイポイして身軽になることがシャレ部屋への一歩です。
②プロに任せよう!
 大体多くの人が陥る隘路が、自分で雑誌とか見ていろいろな家具屋まわって、それっぽいものを色々と買ったりするんだけど、部屋トータルでのコーディネーションが結局全く取れてなくてにっちもさっちもどうにもブルドッグ、というもの。
 トーシロは中途半端に手を出すだけ損なのです。ここはプロのスタイリストに任せるか、或いはシャレオツ家具屋1軒に絞って一通り家具等を買って部屋にブチこみましょう。最終的にはコストも一番抑えられます。
③人を家に招くのをやめよう!
 実はこれがもっともシャープかつクールかつイージーな方法なのですが、あまり知られていません。そう、あなたのお部屋に家族であれ恋人であれ友人であれ、招くのを一切止めるOR拒絶すればいいのです。
仮に、年の頃29歳、見方によっては宮崎あおいに見えなくもない彼女に出会ったのは大学の頃の悪友が仕切った飲み会という名の合コンだった、としましょう。あまり喋る方ではないけれど、他愛もないことで恥ずかしげに笑う顔がちょっと良かった、としましょう‐そう。笑うタイミングも一緒だったし、なんというのか、始めから彼女とは波長が合うな、と俺は感じていた。2次会のカラオケでも隣同士になって、ちょっと疲れも出たのか楽しそうな素振りの中にちらりと真顔を覗かせる。そんな彼女に「俺、今日は帰るわ」とそっと耳打ち。カラオケ屋の前で休憩がてら、紫煙をたなびかせていると店から少し緊張した面持ちで彼女は出てきた。「私も出てきちゃった」「おいおい、なんだよ、皆と一緒に楽しみなよ」「いいの。ねえ、もうちょっと飲もうよ」‐俺は近場のあまり気どりのないバーへ彼女を連れていき小一時間ほど話したのだ。じゃあそろそろ帰ろう、終電も無くなるし。俺は彼女をうながし外に出た。そうすっと酔いも手伝ってさっきよりも宮崎あおいに見えなくもないこともないような気がしてきた彼女ははにかみながら言ったのだ。「おうち寄ってってもいいかナ?」と。恋はダイナマイト。男としての価値が試される時。そして俺は男らしく答えた。


「ハァン?来るんじゃねえよ!帰れ!」


この姿勢が大切です。そうです。きっぱりと断りましょう。何人たりともあなたの部屋に入れてはいけません。すると意識の変化が起こります。誰にも見せるわけではないのだから、どんな部屋でも気にならなくなります。たとえ床に実家から送られたセンベイが入ってたカンカンの蓋が落ちていたって、たいして考えもなしに買ってしまった無印あたりのスチールシェルフが超ジャマだって、もう問題なし。使ったティッシュもそこらにポイポイ。他者からの視線を意識しなくなったとき、真のインテリアデザインの自由がなんかアレして天空への扉の鍵がナニするのでしょう。

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Single Life

Single Life



素敵なガールフレンドなんかいなくたって大丈夫。あなたには彼らがいる。まあこのー、なんだ、バンド名はともかくとしつつも、曲はどれもこれもシャープかつポップで気持ちを高揚させてくれること請け合い。日差しが強めに部屋へ差し込む日なんかにハイネケン飲みながら聴けばそりゃもうシャバダバでしょう。ドライブにもピッタリだと思います。出来れば時速60kmくらいで。よろしくどうぞ。
お友達やお互い軽口を叩き合うような微妙な仲のあの娘なんかと聴くのもグー。部屋には人は呼べないので、どっか外で聴いてください。雑居ビルの非常階段の踊り場とか。
ちなみにオレが仮に宮崎あおいに「おうち寄ってってもいいかナ?」と言われたら、反応時間0.02秒で「イエスエス」と首を振ります。んで、「どどどどどうぞ入って」なんつって玄関開けながら何故か片手でズボン緩めようとしてたら廊下にほったらかしにしてたビールの空き缶に躓いて顔面から廊下にキッス。その弾みでズボンを押さえてた手を離しちゃって下半身をペロリンQ。慌てて起き上がって振り向いたけれど、目に入るのはドアの外に広がる空漠とした夜でした嗚呼沼袋の午前2時。